ETech07 - 歴史から学ぶイノベーションの発現条件 / The Myths of Innovation
April 2, 2007 6:00 PM by toshi_i
研究員の石橋利真です。こんにちは。
MicrosoftでInternet Explorerの開発をしていた人による、イノベーション - 革新的な発明 - の発現条件についての講演まとめです。
講演者
Scott Berkun
1994 - 2003年の間、マイクロソフト社にてInternet Explorer ver.1 - 5の開発に携わっていたエンジニア。主に新機能開発チームのプロジェクト管理を担当。そんな仕事をしていく中で、「革新的な発明が起きうる、理想の環境ってどんなだろう?」と興味を抱き始め、そっちの研究をしたくてMSを去る。著書は "The Art Of Project Management" と "The Myths Of Innovation" の2冊。 blog: Berkun blog
講演テーマ
イノベーションに必要な土壌・要素って何?
歴史を振り返り、事例を深く検証することで、大切な学びが浮き彫りになってきたよ
イノベーションとは - 歴史から判ること
- 常に相関的なもの。誰かの成功は、必ず他の誰かの貢献の上に築かれている。
- つまりは競争に勝つこと。一番乗りになること。
- それ自体よりも、その進展性や名声的成功に人の注目が集まりがち。
- はるか昔から繰り返されてきていること。
- chronocentrism - 常に現代のイノベーションが最も価値が高いと認識しがち。
- 後世になって、誇張されがち。
例) "炎"を神から盗んだペルメテウス、ニュートンとりんご
事例
3M社 - 近代企業によるイノベーション
- 元は炭鉱を掘る会社。最初の10年間、ずっと紙やすりを生産していた。
- 社員の一人が、新規事業として "マスキングテープ" なる発明のビジネス化を考案。
- 上長だった William McKnight 氏は、会社の方向性と合ってない、と3回進言を跳ね除ける。
- 4回目の進言に来たときに、ふと「これほど情熱を持っているなら、きっと何かあるんだろう」と、好きにやらせてみることを決意 → 事業として成功
トーマス・エジソン
- 優れた研究者というよりも、優れたマーケティング・PRマン。
- 同時代の発明家 Nikola Tesla と対照的。
- イノベーション自体をビジネスマーケットとして捕らえていた。
- 配下に優れたエンジニアを抱えていた。
- 彼らの発明をエジソンブランドとして世に放つ仕組み。社会的損失を出した際の責任を彼一人が引き受けることで、部下を保護していた、という見方も。
これらから得られる学び
どんな企業でもイノベーションを起こすことは可能。その秘訣とは:
- それぞれ自分に合ったやり方で仕事をする事を許すこと
- 個々に権限と責任をゆだねること
- 管理側は対外的な責任を担保してあげる
- 失敗が起きることを想定・許容すること
- 画期性・先進性自体を評価してあげること
そして、
上記を実施するのは難しい事だと覚悟した上で、許容すること
もっと詳しく...
book: The Myths Of Innovation (5/1発売予定)
tags:ETech2007

